えたいのしれないなにか

ちらしのうらとかそういったたぐいのものかもしれないね(てつがく)

推しに贔屓を出ていくことを勧めたいという複雑な感情について

タイトルの通りです。このブログ野球のことばっかり書いてる気がするな。もっといろんなことについて語りたいんだけどブログで書くほどの情熱にならない。

 

さて、コ○ナに振り回された2020年のNPBも無事にシーズンを完走してみんな大好きストーブリーグが派手に幕を開けたところなのですが、一番の話題であるFA市場がシーズン中の予想に反してものすごくショボ…地味な展開となっています。投打の目玉になると目されていたヤクルト山田、中日大野両選手が残留したほか、移籍待ったなしといわれた西武の増田やSB長谷川も結局移籍へと動くことはありませんでした。

 

そういった事情の中で、年齢やこれまでの成績から残留するのではと言われたのが一転してFA宣言、複数球団による争奪戦に発展した選手がいます。

 

 

DeNAの投手、井納翔一。34歳。わたしの推し選手です。

 

 

DeNAが宣言残留を認める方針を打ち出したことで同僚の梶谷とともにさっさとFA宣言をした井納に対して、ベイスターズのファンからは残留を願う…というよりは「巨人には行かないでくれ」というやや後ろ向きな声が多くかけられているように見られます。そりゃ確かに巨人に行かれたらいやだなあという気持ちはわかりますし、贔屓のチームに残留してくれることはその選手のチーム愛を感じられる一番大きな行動ですからファンとしてその結果を求めるのは当然だと思います。でも、「巨人なんか行っても使いつぶされてポイだ」とか「横浜に残るのが一番幸せになれる」という意見にはさすがに我慢できなかったのでこのブログを書きました。

 

・彼にとって本当に残留が一番の幸せか?

 

現時点で井納と交渉の席についたのは巨人とヤクルトの二球団です。それぞれの挙げた条件は以下の通り。

www.sanspo.com

hochi.news

 

スポーツ報知の記事に両球団の条件比較の図が載っててより分かりやすいと思いますが、背番号はともかくとして両球団ともだいたい年俸1億×複数年規模の条件がついてきます。ヤクルトの条件が出来高込みだと少ししょっぱい気もしますが…。

あと、ここからは推測になりますが巨人は家族のサポートや引退後のキャリア保障あたりも盛り込んでいるんじゃないかという気がします。近年巨人が争奪戦に勝っているとき、記事に不自然なほど「家族のため」というニュアンスが含まれるケースが複数あるからです。キャリア保障のほうは移籍してきた人間が軒並みコーチやってることからもだいたい予想できるのではないでしょうか。ヤクルトのほうは成瀬の扱いを見ていると「ダメなら落とす」とはっきりしてますがラストチャンスはくれそうです。

 

では、DeNAに残留した場合はどうなるのでしょうか?

今季の井納の年俸は推定6100万です。ここ2年連続で減俸になっています。

今年の成績は17試合に先発して6勝7敗、防御率3.94という数字。投球回が89回なので1試合当たり平均で約5.2イニングといったところ。チームでは勝ち頭の大貫に次ぐ試合数と勝ち数ですが、すでに更改を終えた上茶谷が11試合2勝(1完封)3敗、防御率4.12、投球回59という成績で推定4300万から現状維持となったのと比較すれば、もしFA権を持っていなかった場合良くて現状維持というところだったでしょう。さすがにFA持ってる選手に対して減俸を提示して残ってくれなんていう頭お花畑なフロントでないと信じていますが、どう頑張っても来年以降の年俸は億にとても届かないことでしょう。わたしは宣言前の提示額8500万×3年と予想してますが、下手したら単年で提示しているかもしれません。

では環境はどうかというと、これもDeNAは井納にとって厳しいと思わざるを得ません。まず編成が極端ともいえる若手志向であること。藤岡が切られたので現在チーム最年長の投手は井納です。30歳を越えた選手に対する球団の姿勢は総じて苛烈であり、飛びぬけた結果を残すor特別扱いの選手(晩年の三浦がそれ)を除けばどんどん出場機会と年俸を削り、2年ほどでクビを切ります。すでにやや成績を落としていた井納は去年の時点でかなり出場機会を削られつつあったし、今年もし投手陣が万全ならFAも取れずに再来年あたりクビになっていたのではないかという「ルート」に乗りつつありました。また、今までの彼の起用は総じて雑であり、スター(にしたい)選手を勝たせるために相手のエース級に当てられては負けを重ねたり、チーム事情でいきなり中継ぎにされたあげく結果が出ないといって減俸を食らったり、本当に不憫な扱いを受けていたわけです。ファンからのあたりも強く、イロモノ枠として扱われ一部ファンには嘲りを含んでいるような発言も多々見られました。請われて移籍する新天地では(ファンはともかく)そんなひどい扱いは受けないと思いますし、少なくとも移籍初年度はある程度まで許容されるでしょうからきっと古巣より居心地はいいはずです。

ホーム球場についてはいずれも狭い球場ではありますが、ハマスタから移るのであればそんなに問題ないように思えます。神宮が苦手っぽいのでヤクルトに移籍した場合は心配ですが…。大舞台に強い選手なので、プレッシャーにつぶされるとかもあまりなさそうです。

 

以上の状況を鑑みれば、ベイスターズファンがいう文句が井納には当てはまらないであろうということがお分かりいただけるかと思います。

・そもそも今まで雑に使われていて

・その上で評価されることもなかった

・先の長くないであろうベテラン

が、他球団から好条件で請われて出ていかないわけがないじゃありませんか?

 

ちなみにDeNA側の姿勢はこんな感じです。

www.sanspo.com

残りたいなら残れば?と言わんばかりですね。梶谷ともども三十路の選手なので、球団としては出ていかれたらそれはそれということなのでしょう。

 

選手の幸せのためにベイスターズを出て行ってほしいと願うことは、ベイスターズファンとしてはダメなのかもしれません。でも、いままでの扱いがひどいうえにこれからの扱いもろくなものにならないだろうチームに残ってくれとは、井納投手を応援している人はとても言えたものではないと思います。

そういうジレンマでもやもやしながらFA動向を見守る毎日です。

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