「まだなろうとか読んでんの?(笑)」という人も多いと思いますが、文章の質にさえ目をつぶれば結構おもしろい作品もまだまだあるので、食わず嫌いせずに一度読んでみてください。
今回は冷笑オタクくんにも満足してもらえそうなテンプレ破り作品を中心にご紹介させていただきます。
例年通り、短編小説には☆印をつけました。
画家は天使を描こうとした
https://ncode.syosetu.com/n8418ih/
キーワード:異世界、恋愛、戦争、芸術
異世界ではあるんですけど、いわゆるナーロッパとは全く異なる現代的な世界が舞台です。戦争によって生み出された人倫に悖る兵器と、犠牲になった人が出てきます。でも、読み終わったときあなたは確かにこの話が恋愛小説であると感じることでしょう。作者は典型的なテンプレ作家なのですが、この作品は珍しく文学っぽい内容で驚いたのを覚えています。
悪女矯正計画
https://ncode.syosetu.com/n9370hz/
章ごとに一人称の視点が入れ替わり、時間軸も行ったり来たりします。途中で分からなくなったら、この話はアーヴェルとセラフィナが主人公であることを思い出してください。この二人以外の境遇は章ごとに変わるので要注意。ちゃんとハッピーエンドです。
聖女の身代わりとしてやってきた婚約者殿の様子がおかしい
https://ncode.syosetu.com/n0775id/
キーワード:異世界、恋愛、婚約破棄
典型的なテンプレ破り。一周回ってお約束みたいな話ですが、正直ざまぁ系よりも読みやすいです。番外編できちんと悪役(?)の救済もあります。
彼女の恋物語にちょい役で出演する。
https://ncode.syosetu.com/n2545hk/
キーワード:現実世界、恋愛、テンプレ
テンプレ破り作品を中心にと言った舌の根の乾かぬ内にテンプレど真ん中を持ってきてすまない。負けヒロイン×モブ君の話です。初手でモブ君が告白かましてるのと、負けヒロイン側がギリギリまでモブ君に好意を向けない点が特筆すべきところでしょうか。
今日も聖女は合掌する
https://ncode.syosetu.com/n5765hw/
キーワード:異世界、恋愛、テンプレ
ちょっと外しを利かせた聖女召喚モノ。序盤は若干ホラー要素もある。
☆転生者のわたしと、転移者の彼女と
https://ncode.syosetu.com/n3184ij/
キーワード:異世界、転生、転移
現在のなろうにおける悪役令嬢モノお約束の展開と、転生と転移の違い(ここは作品によって転生ヒロインに置き換えられますが)を端的に説明した、whitepaper的作品として称賛すべき一作。若干のご都合展開はお約束の範疇ですし、権利と義務を論じるくだりに作者の政治的思想が透けるのはご愛嬌として、いい意味で「なろうらしくない」作品です。Twitterウケがめっちゃよさそう(これは悪口です)。
「頭の悪い女を妻にする気はない」と人を見下す次期宰相様は、ニコニコしてるだけのほんわか令嬢がなぜか気になる
https://ncode.syosetu.com/n8997ih/
キーワード:異世界、恋愛、打算
今回のイチオシ。タイトルとあらすじに書いてあることが全部です。読後感は恋愛小説より謎解きゲームに近いスッキリ感。こういうヒロインと結婚出来たら人生安泰ですよ。
☆拗らせた初恋の結末は、
https://ncode.syosetu.com/n1140ig/
☆これを恋と呼ぶなら
https://ncode.syosetu.com/n4785io/
キーワード:異世界、恋愛、腐れ縁
ほぼ同じ展開の2作品をまとめてご紹介。なろうの恋愛系で女性主人公の作品は往々にして近くにいるのに主人公の扱いが雑な男がいて、中盤で主人公にアプローチをかけてくる第二の男が登場するパターンが9割なのですが、第二の男のほうがいい男じゃなかったパターンだとこういう展開になります。なろうでは乗り換えるケースが目立ちますが(ざまぁをしやすいため)、乗り換えても乗り換えなくてもハッピーエンドになるんですこういうのは。少女向けのお約束です。
☆母を看取る
https://ncode.syosetu.com/n7168im/
キーワード:現実世界、アンドロイド、家族
アンドロイドに心はあるのか?家族の形ってなんだ?哲学系の授業でよく扱われる題材を真正面から描いた作品です。
一年後に『世界の王』と呼ばれる破天荒少女のワクワク冒険者ライフ
https://ncode.syosetu.com/n5413ie/
Q.ファンタジーなろうは好きですが俺TUEEE系ばかりでイヤです。どうすればいいでしょうか?
A.女性主人公で私TUEEE系にすればいいです。
毎日3話更新されるので読み足りないことはないでしょう。あんまり細かいこと考えずにコメディファンタジーとして読むと面白いです。設定厨じゃない人が「シャングリラ・フロンティア」を書いたらこうなりそう、みたいな一作。
ランキング上位に他責他罰のスカッと系しか入らなくなって久しいなろうですが、面白い作品の作者ページからお気に入りとか漁ると良い作品に出会えたりするので、digり方を変えてみるのも一考かもしれませんよ。