えたいのしれないなにか

ちらしのうらとかそういったたぐいのものかもしれないね(てつがく)

MyGO!!!!!映画前編 & Ave Mujicaアルバム「ELEMENTS」所感

MyGO総集編映画の前編を遅ればせながら見てきました。

総集編の映画というのは往々にしてテレビアニメの内容にプラスアルファで済むもので、追加エピソードはそんなにないことが多いのですが、今回のMyGO前編では楽奈のオリジナルエピソードがほぼアニメ1話分くらい追加されていました。テレビアニメでは唯一掘り下げがないキャラクターであっただけに、楽奈の過去エピソードがあるだけで話の内容そのものの印象が大きく変わったように思います。楽奈がしばらくギターを弾かなかった時期があるというのも初出しの情報でした。彼女がMyGOでバンドをする理由はガルパのシナリオを踏まえても今一つ見えにくいところでしたが、このエピソードを踏まえて帰る場所としてのバンドを再発見できたように感じます。

残りはテレビアニメの再編集になりますが、なんといっても構成が特異だったように思います。よく言えばキャッチー、悪く言えばウケ狙い。国内でイマイチながらチャイナ市場でウケた作品ですから、そのきっかけであるなん春を擦り倒すのはこの際仕方ないとして、前編のテーマそのものをなん春に振り切ったのは新規取り込みを最初から捨てているなと感じました。

春日影という曲の大切さを知ってもらうには3話のオミットは悪手、という意見もインターネットで見かけましたが、私はこの評価は適切でないと考えます。なぜなら、この前編のテーマは「なぜ楽奈は春日影をやったのか」だから。3話はあくまで燈にとっての春日影の大切さを描いている話であって、楽奈には関係ないのですね。前編の構成上問題があるのは主眼を楽奈に置き切れていないという点に尽き、Aveメンバーを排除するなら春日影シーンでも祥子たちを削ってよかったと思いますが、そうするとそよがキレた理由の説明が無理になるから…難しいですね。

燈自身は7話時点でまだ己がしでかしたことに気づいていないので(8話冒頭のそよの指摘で初めて自覚する)、燈が壊した過去のエピソードである3話の内容は後編で使われるはずです。そこで改めてCRICHICのメンバーについては過去に触れなおすのかな。ムビチケ確保しているので期待しています。

EDの過惰幻は曲調も歌詞も重苦しくて前編の締めにぴったりですね。パンフレットの内容に触れますが、林鼓子さんが「お客さんをさらに追い込む」と表現していたのが的確に思います(というか林さんがオタク解釈に寄り添いすぎ)。春日影を自分抜きでやられた後にこの曲を聴かされたら、豊川祥子さんがバンド作って復讐に来ても文句言えないです。そこまでして思い出を丁重に粉々にすることないやん。

 

バンドリついでにAve Mujicaの最新アルバム「ELEMENTS」についても。こちらは配信で聴いたのみです。

これまでのAve Mujicaではほとんどの曲でDiggy-MO'が作詞を担当していましたが、こおアルバムでは作曲も含めてDiggy-MO'がトータルでディレクションしたそうです。「黒のバースデイ」ではいわゆるDiggyっぽい言い回しが見られましたが、このアルバムでは何かを伝えたいというよりは、いわゆる交響詩*1のような内向きの作りこみが見られ、バンドサウンドというよりはクラシック音楽を聴くときに近い感覚を覚えました。ぜんぜんジャンルが違いますがCAPSULEの「CAPS LOCK」とか、近年のPerfume楽曲(「ネビュラロマンス」収録作品たち)に感じるような自室で思索にふける雰囲気があって、ともするとこれをデカい箱でオタク盛り上げるために歌えるのか???という印象すらあります。

Diggy-MO'のインタビューによれば、それぞれの曲に物語が展開されており、アルバムを通して完成するということなので、交響詩的であるのは意図されたもののようです。誰かに向けてメッセージを送るための曲ではなく、自己完結の表現であるというのはAve Mujicaのコンセプトに合っているように感じます。それがバンドリ全体の方向性と合うかはさておいて、MyGOの目指す方向とはまったく対極的。アニメでもMyGOとは全く異なる展開が期待できます。Diggy-MO'の発言からはアニメと楽曲のリンクをあまり意識していない様子が見て取れ、コンテンツの展開にあたってはMyGOアニメでやってきたようなメッセージの増幅のような手法はとらなさそうです。そうなるとアニメ終盤で和解とか一緒に春日影を演奏するとかはやらなさそうですね。

 

来月に公開される総集編映画の後編と、年明けから始まるAve Mujicaアニメを楽しみにもう少しだけ頑張って生きていこうと思います。

 

 

横浜DeNA現役ドラフト予想

シーズンも終盤に入り、毎日のように苦しい試合を展開する横浜DeNA。先発陣・コア野手などの世代交代に失敗しているチームにとって、新戦力の発掘は不可欠です。首脳陣があまりに新戦力の起用に後ろ向きすぎ&評価が辛すぎるきらいがここ3年ずっとあるので、まず首脳陣を刷新しないことには始まらないという意見もありますが、まずはフロントにできる最低限の手段として現役ドラフトによる新戦力の獲得について考えてみたいと思います。

 

1.放出選手

名簿には2名記載して提出するということなので、2名予想します。

 

森敬斗(内野手・22歳)

5年目のショート。足は速いんですが打撃がなかなか伸びず、守備範囲も広くて派手ですが波があるタイプ。うまく育てれば凄まじいバリューが見込めるものの、確実性を重視する三浦監督と方針が全く合いません。移籍先の水が合えば細川(中日)の再来でしかないですが、その細川の放出経緯を考えても、森のためを思ってフロントが放出する可能性はかなりあると思っています。

 

益子京右(捕手・24歳)

6年目キャッチャー。横浜DeNAの捕手事情はこの2年でドラスティックに変化しており、山本が正捕手に定着し、期待の若手として松尾が台頭。戸柱伊藤の両ベテランが脇を固める構図となり、山本と年代が近い益子・東妻(・上甲)は完全に浮いてしまいました。打撃を活かしてユーティリティに転向しつつある東妻や二軍戦要員の道がある上甲と違い、ポテンシャルがありながらチーム事情で一軍に上がれず今後の見込みも少ない益子については環境を変えるという手を打ってくる可能性が比較的高いように思われます。

 

投手陣に関しては、まだ若い・ケガしてるだけで十分戦力・もうクビのいずれかしかいないので、現役ドラフトの第一候補にはならなそうです。敢えて候補を挙げるとしても京山か、三浦の方針のために横須賀で腐ることを惜しんで小園・松本隆の両プロスペクト放出に踏み切るかくらいでしょう。野手陣では他に知野や勝又あたりが放出候補になりうるでしょうか。ほかの中堅クラスは残念ながらそれ以下の評価な気がします。

 

 

2.獲得選手

現役ドラフトを主要な補強手段とみる向きは少ないですし、実際にバリューのある選手はここではなくトレードで動くため、こちらはほぼ願望です。

 

田中和基(楽天・外野手・30歳)

守備力に定評のある外野手。関根とか神里と被るので戦力というよりは個人的に見てみたい気持ちが強い。

 

高橋礼(巨人・投手・29歳)

速球派のアンダースロー。本人はコントロールを重視して負のスパイラルに陥っているようですが、下投げで140出るのが元のウリでもあるので、リリーフで見てみたいです。中川颯との棲み分けも課題になりますが適宜入れ替えとかでいいような気も。

 

山崎晃大朗(ヤクルト・外野手・31歳)

謎に二軍幽閉されてる外野手。横浜でスーパーサブになれるような気がしますがヤクルトあんまり見ないので現実は厳しいのかも。

 

笹川吉康(ソフトバンク・外野手・22歳)

かつてのスーパープロスペクト。まだ若いし出すわけないと思いますがトレードで準主力級と交換してでも取ってくる価値あると思います。神奈川出身でY校卒、地元重視のファンも納得でしょう。

 

内野手については石井琢朗の美学があるようでスタメン主力が最後まで出ずっぱりになっており、新規戦力が起用される見込みがないので取らないほうが良さそう。

タイパ全盛期に「2回見ないとわからない映画」を作る勇気:映画「トラペジウム」ネタバレあり感想

 

1.はじめに

現在劇場で公開中の「トラペジウム」というアニメ映画をご存知でしょうか。

元・乃木坂46一期生の高山一実が執筆した小説をアニメ化した作品で、アイドルになりたい主人公・東ゆうが町の美少女を集めてアイドルグループを作ろうと画策する話です。

公開直後は乃木坂のファンを中心に話題になっていたようですが、先週あたりからアニメオタクの間で賛否両論分かれる問題作として批評記事がバズっており、タイトルやあらすじ、東ゆうの名前くらいは耳にした方も多いと思います。

私はこの批評記事への反応でこの映画を知ったのですが、とにかく一度見てみないことには作品に対する態度も決められないと感じ、まずは事前情報を入れずに鑑賞することにしました。

 

先に結論から申し上げますと、この作品は最低2回は見ないと重要な情報を見落とす作りになっていました。

 

ここでお願いなのですが、まだ見てないよという方は今からでも遅くないので映画館で見てほしいです。今週になって公式YouTubeがかなり多くの切り抜きを上げており、この作品の動員が予想より芳しくないのは明々白々です。*1上映数も公開一週間で激減していますし、私が見たときは(平日とはいえ)2度とも他に観客がいませんでした。この作品は物語における挿入歌の重要性が高く、映画館とYouTubeでは音響効果が全然違います。トラペジウムという映画が大爆死タイトルとしてではなく挑戦的なアニメとして記憶されるためにも、ぜひ一度映画館に足を運んでください。

 

※以降ネタバレを含むので、作品を見てから読むことをおすすめします。

 

2.鑑賞(1回目)

 


www.youtube.com

さて、映画はいきなり電車に乗る東ゆうからスタートします。何やら計画の書かれたノートに夢中で電車から降りるのがギリギリに。

そのままOPに入ります。3Dに切り替わる映像も星街すいせいの歌も唐突すぎて、なんだか浮いている印象を受けました。

聖南テネリタス女学院にやってきたゆうは、幸運にも恵まれ南の星・華鳥蘭子と出会います。蘭子と「友達」になったゆうは続いて西テクノ工業高専に向かい、目をつけていた西の星・大河くるみに接近。彼女の趣味に寄り添うことで好感度を稼ぎ、ついでに蘭子とも交流を深めました。なんだかずいぶん話がうまく進んでいますね。

残すは北の星だけでしたが、ここでゆうたちに声をかけてきたのが亀井美嘉。美嘉が城州北高に通っていたのでゆうは彼女をグループに加え、ゆうのアイドルグループ「東西南北(仮)」計画は無事始動します。


www.youtube.com

ゆうはデビュー後の好感度アップのため、ボランティア活動をすることを計画していました。ちょうどよく美嘉がボランティア団体に所属していたので、ゆうたち4人で参加することに。事情により4人同じグループとはいかず、狙いが外れたゆうは不機嫌になってしまいます。味噌汁も捨てます。続いてくるみの文化祭でライブを見せ、ステージへの憧れを搔き立てることを画策しますが、これもボランティア活動で出会った子の訪問により計画倒れ。ゆうはライブのチラシをゴミ箱に捨てます。捨ててばっかりじゃん。しかし、代わりにみんなで写真を撮ることで、4人の絆を深めることはできました。

続いてゆうが計画したのは城でのボランティア。今度は好感度アップではなく、テレビに写って話題になるチャンスを得るためでした。これも計画通りとはいきませんでしたが、東西南北のコンセプトを面白がったADによって4人はテレビの世界に足を踏み入れ、やがてアイドルへの道を歩み始めます。ちなみに、テレビ取材後ボランティアはバックレています。


www.youtube.com


www.youtube.com

 

ここまでが物語の絶頂期。ゆうは自分だけ人気がない現実に打ちのめされ、美嘉が彼氏バレし、くるみは芸能界に耐え切れずに壊れてしまい、東西南北は崩壊しました。*2

全てを失ったゆうは家に引きこもっていましたが、ある日城でボランティアのおじいさんに再会し、その言葉に背中を押されて美嘉に会いに行き、「過去の自分」を教えてもらいます。そして、ラジオで東西南北の曲が流れたことをきっかけに4人は再会し、3人に背中を押されてゆうは再び自分の夢「アイドル」へと歩き始めるのでした。


www.youtube.com

 

さて、ここまで見て私は批評記事の大きな間違いに気づきました。

東ゆうはクズでもサイコパスでもありませんし、アイドルの闇が描かれてるわけでもありません。

彼女の行動力は確かに常軌を逸していますが、その他の落ち度、例えば他人を踏み台にしてのし上がろうとする考え方とか、ずさんな計画を押し通していく視野の狭さとか、足りないものは努力すべきだという「正しさ」とか、そういうのは全て高校生特有の青さで全部説明ができるのです。

本当に悪い奴やサイコパスなら、ユニットを崩壊させた後に泣いたりしません。ただ次の計画を練り直すだけです。


www.youtube.com

本当に嫌な奴なら、そもそも一人で泣かないのです。だって、泣きは人前で有効活用してなんぼですからね。*3

 

ところで、この話は終始ゆうの一人称視点で語られています。なので、「順風満帆に計画が進んでいって夢に手が届きそうだったのに、予期せぬトラブルでグループは崩壊し、私の夢は潰えてしまった」みたいな見え方をします。そのため、終盤にもたらされる美嘉、蘭子、くるみからの赦しは非常に唐突に見えますし、また実際にアイドルやってた時には人気が伸びなかったのに、エンディングでゆうが夢をかなえている点についても不自然さが否めないと感じました。忙しい批評家は一つの作品にそんな時間を割いて見られませんから、こういう見え方をする作品に高評価はできません。よく言えば「尺が足りない」、悪く言えば「シナリオが雑」という印象を、私も確かに受けました。

しかし、いくら一人称視点といっても些か視野狭窄が過ぎる演出であり、他のキャラがチラチラと別の動きをしている様子も映り込むことから、意図的にそうしている可能性は当然考えられます。ここで補助線として機能するのがOP映像でした。


www.youtube.com

まず、主題歌を歌う星街すいせいのバックグラウンド。彼女は個人でVtuberを始め、のちにイノナカミュージック→ホロライブに加入しています。加入前から自分のオリジナル曲を持っていましたが、事務所に所属後も紆余曲折あって伸び悩み新曲も出ず、イノナカ統合に伴ってホロライブのVtuberと絡み始めてから箱ごと数字が伸び、事務所のパワーでTaku Inoueと組んだのがバズって今に至っています。東ゆうと境遇が似ていなくもない。そういうストーリー性もあっての主題歌起用でしょう。

次に映像です。物語の始まる前、東ゆうがオーディションに落ち続けていた頃を描いています。説明がないので初見では理解しきるのが難しいポイントです。憧れも情熱も持っているのに、現実は答えてくれない。つまり、物語で一見よくわからないコンセプトのもと異常な行動力を発揮していたゆうは、既に夢を諦める瀬戸際まで追い詰められていたということがこの映像からわかるのです。

OPにこれだけの仕込みがあるということは、本編にも当然仕掛けがあるはず。そう考えた私は2度目の鑑賞を決めました。

 

3.鑑賞(2回目)

余談ですが、私はトラペジウムをイオンシネマ京都桂川で鑑賞しました。イオンシネマの優待を持っているための選択ですが、この映画館はどういうわけか朝一番のULTIRAスクリーン*4をトラペジウムに割り当てていて、関西唯一の大画面でテネリタスキックや高音質の舌打ちを堪能することができました。更に余談ですが、イオンシネマ白山では北陸唯一のグランシアタ*5をトラペジウムに割り当てているらしいです。シネマ側の熱意に反してスクリーンはガラッガラですが。

 

話を戻します。2回目なので今回は東ゆうからあえて外したところを意識的に見るようにしました。全景からゆうのアップor視点に切り替わる直前などにチラッと映る他のキャラクターの動きに注目すると、西南北の3人がギリギリまでゆうに従い、耐えられなくなっても彼女を許した理由がなんとなく見えてきました。

まずは蘭子。元々ゆうはテネリタスにお目当てがおらず、来てから考えるといった見切り発車で動いていました。蘭子とすれ違って「純金インゴット!」と飛びつきますが、テニスで大敗し計画はうまくいかず。しかし、テニス部で肩身の狭い思いをしていた蘭子に見たままお蝶夫人と声を掛けたゆうは、結果的に蘭子にとって大きな救いになりました。だからこそ蘭子はゆうの申し出を受け、その後もメンバーのケアに奔走してゆうの夢を叶える手伝いをしようとしたのです。出だしの計画から実はすでに行き当たりばったりであることに気づかないゆうは、一方でそのまっすぐさのおかげで蘭子というかけがえのない協力者を無意識に得ました。

次にくるみ。ゆうは元々有名だったくるみに目をつけ、当初から彼女を利用して話題になることを画策していました。しかし、実はくるみは有名人であったがゆえに注目されたくないという思いが強かった。ゆうに一目ぼれした真司を利用してくるみに近づいたゆうは、付け焼刃のロボット知識でうまく仲良くなれたと思っていたようですが、ゆうが目的はどうあれくるみに真摯に向き合ってくれたこと、それ自体くるみにとっては初めての経験であったようでした。*6初めて出来た女友達のために無理してでも夢に付き合ってあげようとした結果くるみは壊れてしまいましたが、それでもゆうを許せたのは、彼女がくるみに初めての友達とのひと時をくれたからなのでしょう。意地悪な読み方をすればくるみが真司のこと好きでゆうのため≒真司のためになると思ってた可能性もなくはないけど。エピローグでもゆう連れて真司にアピってたのくるみだし。

最後に美嘉。彼女がゆうを許した理由は最初から明白でした。小学校時代に美嘉はゆうに救われているので、むしろ許さないはずがない。おそらく登山ボランティアの時点で不自然な言動をしていたゆうの意図するところはある程度わかっていたでしょう。その上で美嘉のヒーローであるゆうの夢を「友達として」ともに叶えたかったのです。だから彼氏バレ後にゆうが放った「友達にならなきゃよかった」はクリティカルで、美嘉は笑顔を失ってしまいます。

ちなみに美嘉の彼氏匂わせはアイドル計画始動の前からあり、文化祭の時にはツーショットのキーホルダーを鞄につけ、ラインのアイコンもツーショット、アイドル活動が始まってからは楽屋や帰りの電車で通話する様子が挟まれ傍目にバレバレでした。ゆうが例のシーンまで気づけなかったのは、それらのシーンで全てゆうがイヤホンをして窓の外を眺めていたから。夢しか見ていなかったゆうの視野の狭さがもたらした破滅の発端なのでした。


www.youtube.com

もう一つ重要なのはこのシーンです。確かにわかりやすく壊れたのはくるみですが、映像見ればわかる通りゆうも壊れかけています。一人称視点だからくるみのせいであきらめざるをえなかったように受け止めがなされていますが、ゆう自身がもう限界だったのです。アイドルに抱いていた理想と現実の乖離を身に染みて感じていても、憧れた心がそれを許さず、こうして噴き出してしまった。ここで挫折することは、いわば予定調和であったようにも見えます。

この挫折を通して、世間がアイドルに求めているものは何か、という知識と、夢をどうしても諦められない、という気持ちの両面から答えを得ることができたからこそ、エピローグでゆうはアイドルになる夢を叶えることができた。こう読むとなるほど最後に上手くいった理由も納得できるように思います。

こうして各々が学びを得ることができ、エピローグでみんなが夢をかなえて再会することができた。過程はどうあれハッピーエンドに文句はありません。加害者と被害者の構造ではなく、いわば共犯関係で成り立った東西南北のアイドル活動。この作品を冒険ものの文脈で説明した考察オタクの文章も読みましたが、それに近い意見を持ちました。乱暴な言い方ですが、綺麗なスタンドバイミーといってもいいかもしれません。

一方で、これらの演出の妙は人を選ぶと思います。もちろんこの作品についても一度見ただけで全部看破できたという人もいるでしょうが、そういう人はこの手の演出に慣れている人であって、原作がアイドルでメジャーな箱で上映してというプロモーションをかける作品が想定する観客は一見しただけでは多くを見落とし、東ゆうの乱暴な言動ばかり記憶に残って「やばい女のアニメ」「アイドルの闇」みたいになってしまうでしょう。ですから、この映画は2回見る必要があるのです。1回目で見落としたものをOPから拾いなおすために。そして、ストーリーの展開に注目しないでいいからこそ新しく見つけられるキャラクターの魅力を感じるために。

 

4.さいごに

このタイパ全盛期に「2回見ないとわからない映画」を作る勇気。脚本の柿原さん、原作・監修の高山さんはじめスタッフの丁寧な仕事が光ります。是非とも映画館でもう一度見に行きましょう。

なお、原作を補助線に使うのはおすすめしません。高山さんが「小説と映画は別物」と言っていますし、アニメで追加された要素・削除された要素が割と物語の根幹に関わっているためです。映画は映画として楽しみましょう。

*1:トレイラーが多すぎて逆効果になっているくらい。

*2:このあたりの切り抜きもアニプレックスが公開していますが、通しで見ないとシーンを読み間違うのであえて載せません。

*3:Q.最後に西南北の前で泣いてたよ? A.おだまり

*4:イオンシネマ独自の映像音響システム。スクリーンが巨大で音響がちょっと良い。全国12劇場。

*5:イオンシネマのプレミアスクリーン。全国6劇場。

*6:先に真司がそのポジションにありましたが、女子ではゆうが初めてです

糞サイヤング賞結果発表&順位予想2024

うだうだしている間に翌シーズンが始まってしまったので、2023年の糞サイヤング賞を決めてしまいましょう。

 

オリックス:田嶋大樹

13試合81 2/3イニングを投げ6勝4敗、防御率3.09とごく普通の成績に落ち着きました。しっかりとローテーションを完走できたとは言えませんがチーム6位のイニング数を稼ぎ、優勝に貢献しました。日本シリーズでの好投も光りましたが、勝利につながらなかったのが残念です。

ソフトバンク:有原航平

17試合120 2/3イニングを投げ10勝5敗、防御率2.31と優秀な成績。二軍での体たらくは別人だったかのようにチーム最多勝の働きを見せ、「二軍ではやる気がなかっただけ」とも言われました。

埼玉西武増田達至

40試合に登板して19セーブ、4敗しています。防御率は5.45となり、終盤には抑えを剝奪されました。

東北楽天田中将大

24試合139 1/3イニングを投げ7勝11敗、防御率4.91と散々な成績になりました。それでもチーム2位のイニングを投げているのはさすがというところ。

千葉ロッテ美馬学

18試合98 1/3イニングを投げ3勝9敗、防御率は4.76と低迷。QSも5回と苦しいシーズンを送りました。

北海道日本ハム:コディ・ポンセ

10試合51 2/3イニングを投げ4勝5敗、防御率は3.66。怪我もあって登板が少なかったですが最終成績はまずまずで、オフに楽天へ移籍しました。

東京ヤクルト:奥川恭伸

一軍登板なし。復帰が見えるとまた怪我をする悪循環にはまり、野球どころではないようです。

・横浜DeNA:トレバー・バウアー

19試合130 2/3イニングを投げ10勝4敗、防御率は2.76まで持ち直しました。9月に怪我で離脱しCSでは登板なく日本を去りましたが、結果的に横浜のポストシーズン進出に大きく貢献してくれたと言えるでしょう。

阪神:青柳晃洋

18試合100 1/3イニングを投げ8勝6敗、防御率は4.57と悪いですが一時期二軍での調整もしていた割に勝敗はそこそこ。日本シリーズでは最終戦にジョーカー先発を果たして史上二度目の日本一に貢献しました。

・読売:菅野智之

14試合77 2/3イニングを投げ4勝8敗、防御率3.36。怪我もあって大きく数字を落としました。

広島東洋:栗林良吏

55試合に登板して18セーブ15ホールド、3勝7敗です。抑えの座こそ失いましたが中継ぎとして奮闘し、チームの2位躍進に貢献しました。

・中日:涌井秀章

21試合111回を投げ5勝13敗、防御率は3.97。数字以上に援護に恵まれず最多敗を喫しました。

 

ケガでまともに投げられなかった選手は趣旨に見合わないので除外し、フルシーズンを投げぬいて成績がいまいちだった涌井と田中をセパそれぞれの糞サイヤング賞とします。

 

続いて2024年の順位予想です。

 

セリーグ

1位:阪神タイガース

2位:横浜DeNAベイスターズ

3位:東京ヤクルトスワローズ

4位:広島東洋カープ

5位:中日ドラゴンズ

6位:読売ジャイアンツ

 

グラウンド内外で岡田が他球団や審判団を恫喝するので阪神有利に物事が進むことを鑑み、優勝は阪神に決定です。昨年抗った高津は潰されましたし、三浦は媚びすぎて試合になりませんでした。2位の横浜は贔屓目、最下位の巨人は阿部がいまいちな発言を連発しているため、あとは戦力通りに並べています。原も退任した今、セントラルでは公正な試合が行われなさそうなので、順位予想は意味をなさないと思います。

 

横浜で今年期待している選手は中川颯です。もともとアンダースローが大好きで高橋礼の獲得を熱望していた(巨人いっちゃったけど)私にとって、地元出身のサブマリンが誕生したことはもはや運命としか言いようがありません。石川達也とかなり経歴が似ていて(神奈川出身、県内高校→六大学野球、育成選手経験あり)、もともと仲が良いという話も出ており、二人そろっての活躍を願っています。

 

パリーグ

1位:福岡ソフトバンクホークス

2位:埼玉西武ライオンズ

3位:オリックス・バファローズ

4位:北海道日本ハムファイターズ

5位:千葉ロッテマリーンズ

6位:東北楽天ゴールデンイーグルス

 

さすがにソフトバンク優勝は堅いでしょう。打線の破壊力が段違いですし、先発が揃わなければバウアーと上沢を補強するだけの話。それでも優勝しないとすれば、小久保の戦力運用が相当マズいというくらいしかなさそうですが、プレミア12での苦い経験を活かしてくるのではないでしょうか。

次にリーグで一番投手陣が充実している西武。助っ人含め打線がそれなり以上に機能すれば上位は余裕で目指せそう。

オリックスは投打ともそこそこ揃いますがそれぞれ穴も大きく、今まで紙一重で取れていた試合が勝敗ひっくり返る可能性が高いと思います。森がキャッチング・ブロッキングを猛練習してGG賞取るくらい活躍すれば、もしかすると優勝もあるかもしれません。

日本ハムは今年伸びてくると思いますが、上との実力差が開きすぎていてまだ届くところにはないでしょう。優勝するとしたら新庄退任後になりそう。

ロッテは昨年上振れと吉井の運用で勝っていた面があり、今年は相当に厳しい戦いを強いられそうです。美馬・西野・メルセデスあたりの成績がチームの成績に直結してきそう。

楽天は当面戦力のリプレイスに終始するでしょう。壊れたチームの立て直しを今江に任せるのは酷な気がします。

おすすめのなろう小説 第四弾

lounge.hatenablog.com

 

「まだなろうとか読んでんの?(笑)」という人も多いと思いますが、文章の質にさえ目をつぶれば結構おもしろい作品もまだまだあるので、食わず嫌いせずに一度読んでみてください。

今回は冷笑オタクくんにも満足してもらえそうなテンプレ破り作品を中心にご紹介させていただきます。

 

例年通り、短編小説には☆印をつけました。

 

 

画家は天使を描こうとした

https://ncode.syosetu.com/n8418ih/

キーワード:異世界、恋愛、戦争、芸術

異世界ではあるんですけど、いわゆるナーロッパとは全く異なる現代的な世界が舞台です。戦争によって生み出された人倫に悖る兵器と、犠牲になった人が出てきます。でも、読み終わったときあなたは確かにこの話が恋愛小説であると感じることでしょう。作者は典型的なテンプレ作家なのですが、この作品は珍しく文学っぽい内容で驚いたのを覚えています。

 

悪女矯正計画

https://ncode.syosetu.com/n9370hz/

キーワード:異世界、恋愛、タイムリープ、やり直し

章ごとに一人称の視点が入れ替わり、時間軸も行ったり来たりします。途中で分からなくなったら、この話はアーヴェルとセラフィナが主人公であることを思い出してください。この二人以外の境遇は章ごとに変わるので要注意。ちゃんとハッピーエンドです。

 

聖女の身代わりとしてやってきた婚約者殿の様子がおかしい

https://ncode.syosetu.com/n0775id/

キーワード:異世界、恋愛、婚約破棄

典型的なテンプレ破り。一周回ってお約束みたいな話ですが、正直ざまぁ系よりも読みやすいです。番外編できちんと悪役(?)の救済もあります。

 

彼女の恋物語にちょい役で出演する。

https://ncode.syosetu.com/n2545hk/

キーワード:現実世界、恋愛、テンプレ

テンプレ破り作品を中心にと言った舌の根の乾かぬ内にテンプレど真ん中を持ってきてすまない。負けヒロイン×モブ君の話です。初手でモブ君が告白かましてるのと、負けヒロイン側がギリギリまでモブ君に好意を向けない点が特筆すべきところでしょうか。

 

今日も聖女は合掌する

https://ncode.syosetu.com/n5765hw/

キーワード:異世界、恋愛、テンプレ

ちょっと外しを利かせた聖女召喚モノ。序盤は若干ホラー要素もある。

 

☆転生者のわたしと、転移者の彼女と

https://ncode.syosetu.com/n3184ij/

キーワード:異世界、転生、転移

現在のなろうにおける悪役令嬢モノお約束の展開と、転生と転移の違い(ここは作品によって転生ヒロインに置き換えられますが)を端的に説明した、whitepaper的作品として称賛すべき一作。若干のご都合展開はお約束の範疇ですし、権利と義務を論じるくだりに作者の政治的思想が透けるのはご愛嬌として、いい意味で「なろうらしくない」作品です。Twitterウケがめっちゃよさそう(これは悪口です)。

 

「頭の悪い女を妻にする気はない」と人を見下す次期宰相様は、ニコニコしてるだけのほんわか令嬢がなぜか気になる

https://ncode.syosetu.com/n8997ih/

キーワード:異世界、恋愛、打算

今回のイチオシ。タイトルとあらすじに書いてあることが全部です。読後感は恋愛小説より謎解きゲームに近いスッキリ感。こういうヒロインと結婚出来たら人生安泰ですよ。

 

☆拗らせた初恋の結末は、

https://ncode.syosetu.com/n1140ig/

☆これを恋と呼ぶなら

https://ncode.syosetu.com/n4785io/

キーワード:異世界、恋愛、腐れ縁

ほぼ同じ展開の2作品をまとめてご紹介。なろうの恋愛系で女性主人公の作品は往々にして近くにいるのに主人公の扱いが雑な男がいて、中盤で主人公にアプローチをかけてくる第二の男が登場するパターンが9割なのですが、第二の男のほうがいい男じゃなかったパターンだとこういう展開になります。なろうでは乗り換えるケースが目立ちますが(ざまぁをしやすいため)、乗り換えても乗り換えなくてもハッピーエンドになるんですこういうのは。少女向けのお約束です。

 

☆母を看取る

https://ncode.syosetu.com/n7168im/

キーワード:現実世界、アンドロイド、家族

アンドロイドに心はあるのか?家族の形ってなんだ?哲学系の授業でよく扱われる題材を真正面から描いた作品です。

 

一年後に『世界の王』と呼ばれる破天荒少女のワクワク冒険者ライフ

https://ncode.syosetu.com/n5413ie/

キーワード:異世界、ファンタジー、冒険

Q.ファンタジーなろうは好きですが俺TUEEE系ばかりでイヤです。どうすればいいでしょうか?

A.女性主人公で私TUEEE系にすればいいです。

毎日3話更新されるので読み足りないことはないでしょう。あんまり細かいこと考えずにコメディファンタジーとして読むと面白いです。設定厨じゃない人が「シャングリラ・フロンティア」を書いたらこうなりそう、みたいな一作。

 

 

ランキング上位に他責他罰のスカッと系しか入らなくなって久しいなろうですが、面白い作品の作者ページからお気に入りとか漁ると良い作品に出会えたりするので、digり方を変えてみるのも一考かもしれませんよ。

BanG Dream! It's MyGO!!!!!を見てください ~うわっ…長崎そよの好感度、低すぎ…?~

タイトルの通り、バンドリ迷子の話です。ネタバレを多分に含むので、未視聴の人は先に見てきてください。ただし、7話より先に3話の春日影を聞いてください。

 


www.youtube.com

なんでバンドメンバーじゃない人がサムネイルなんだよ。

 

tver.jp

↑無料視聴できます。

 


www.youtube.com

 


www.youtube.com

 

さて、ここからは9話まで見ている前提で話を進めます。細かい描写とか人間関係とかはTwitter(現:X)でさんざん話していますが、あえて公開された環境で話したいことがあります。

 

・長崎そよに対する豊川祥子の当たりが強すぎる

7話以降の大暴れぶりが皆さんの記憶に新しいベーシスト、長崎そよさん。さすがはベーシストらしいイカレぶり…いや、めちゃめちゃ弱かったな…豊川祥子さんにボコボコにされてたな…。よく考えたら祥子はあんなこと言えた立場ではないはずなんですが。

ですが、祥子からそよへの当たりが強いのは実は8話だけではないのです。

まず2話。若葉睦から「そよが心配してる」と言われただけで苛烈な反応を見せ、「伝書鳩になってはいけませんわ」と今後のやりとりに釘を刺す徹底ぶり。

続いて4話。愛音を気遣ったのか「バンドメンバーは見つかりまして?」と聞いておきながら「長崎そよ」の名前が出たとたんに態度を硬化。その後ピアノを弾くシーンでは9話までで唯一の「祥子視点のモノローグ」が出てきます。CRYCHIC脱退を告げに行った際のスタジオの様子。明らかに長崎そよを中心に置いた視界。直接食ってかかったはずの椎名立希は出てきません。この時そよが止めに入っていたので、「長崎そよ」という名前を聞いてモノローグが連想されたとしてもこのシーンがないのは意図的に思えます。

その後そよに校門凸をされ、逃げる祥子。その際に「わたくしに関わらないで!」とかなり強い言葉を吐きます。これもまた不自然です。単にCRYCHICメンバーに関わりたくないだけであれば、高松燈にも同等の態度をとっていてしかるべきだからです。燈がそよと違い祥子に積極的にかかわろうとしていないからと考えると、1話で燈のことを気にしていた描写と矛盾します。

次に6話。睦からそよが新しくバンドを組んだ話を聞いて「わたくしへの当てつけですの?」「話をつける必要がありますわね」やっぱり言葉が強いです。重要なのは、睦はバンドメンバーについて話していないこと。祥子が当てつけと取ったのは「そよがバンドを組み、睦を誘ったこと」であり、椎名立希や高松燈の存在は無関係です。

7話で話をつけに行った結果春日影を再生産され、睦をほったらかして涙目逃亡した祥子は三角初華に抱かれに行ってしまいましたが、8話では初華との逢瀬で都合よく全てを忘却し、そよをボコボコにしたうえ「二度と関わるな」と言い放って立ち去りました。が、「あなたもいい加減忘れては?」というセリフは投げ出した本人が言っていいセリフではありませんし、「(CRYCHICを)わたくしの手で終わらせましたわ」というのも厳密には誤りです。何故なら彼女は「辞めさせていただきます」と言っただけで「解散します」とは言っていないから。レスバで勝ったというよりはラップバトルの「プロップス勝ち」みたいなもので、冷静に振り返ってみると論理が破綻しています。

 

燈視点(3話)、そよ視点(9話)、そして1話の第三者視点から見ても「脱退」の時点において祥子とそよの間に決定的な亀裂が入った描写はないにもかかわらず、本編中の祥子の言動を見ていると異常なくらいそよへの好感度が低いです。睦には変わらず幼なじみとして接し、燈とは「脱退」以来没交渉であるものの気にはしている様子、立希は眼中にないという状態で、そよ1人だけ憎悪に近い感情を抱かれている。いったい何があったのでしょうか。

考えられる原因としては二つあり、「脱退」後CRYCHICが崩壊していく中でそよが祥子に付きまとった(そよから逃げるために羽丘に移った)可能性、あるいはそもそも「脱退」の原因にそよ、ないし長崎家が絡んでいる可能性です。

前者は関連するエピソードがなく、今後提示される可能性に賭けるしかないのでノーコメントとしますが、後者の可能性については9話の内容を踏まえると考えにくいなという結論に達しました。なぜなら、長崎そよの母は成り上がりの投資家あるいは証券会社勤務であることから、豊川家になんらかの損害を与えられる立場にないと考えられるためです。そよ自身に原因がある可能性も、1話冒頭のシーンで燈に強い言葉を吐いているのですから、合わせてそよに何か言っていてもおかしくないはずなのに触れられていないという点から否定できるのではないかと考えられます(燈以外どうでもよかった説も考えられますが、その場合「どうでもいい」そよは脱退原因になりえません)。

 

9話まで風呂敷を拡げすぎているようにも感じるシナリオをどう畳むかも見ものですが、祥子がCRYCHICを辞めた理由と合わせてそよへの異質な憎悪の原因も回収してもらえるか、大変気になっています。なんとなく「脱退」の原因ごと全部なあなあにして新曲とメンバーのお気持ちだけでバンドという形に収束させそうだなあと思っていますが。9話と構成作家Twitter見て以降脚本への期待値がけっこう下がっているので…。

 

皆さんも一緒にこのアニメを追いかけてみませんか?バンドや音楽系部活をやったことある人、サークルで何かを作る経験をした人、組織の運営を経験した人には結構刺さるアニメなんじゃないかなと思っています。ここが変だと思うポイントや萌えポイント、描写の解釈や祥子ちゃんのおうちの場所など、教えてもらえると嬉しいです。

大外れの大物助っ人から「糞サイヤング賞」を構想する

野球の話ばかりですみません。

さて、我らが横浜DeNAベイスターズ鳴り物入りで獲得したトレバー・バウアーですが、ここまでの成績は惨憺たる有様。彼のYouTube動画でのセリフから「糞サイヤング勢」との綽名を奉られているバウアーの成績から連想して、「確かな実績があって前評判が非常に高かったにもかかわらず実際の成績が振るわない投手」に「糞サイヤング賞」を授与したい、というのが今回のお話です。

 

今回の候補は各球団から一人ずつ候補を選出したいと思います。本家のサイヤング賞が先発に限定されていないことから、糞サイヤング賞の対象も先発にこだわらず、リリーフからも選考します。

 

オリックス

今期も強力な投手陣は健在です。5月時点でチーム防御率が3点台と昨年に比べやや打ち込まれる場面も目立つようになりましたが、それでもローテーション投手はほぼ防御率2点台と優秀です。強いて言えば良い時と悪い時の差が激しく防御率が5月下旬で4点台の田嶋大樹がノミネートできるでしょうか。

 

ソフトバンク

大型契約で帰国したにもかかわらず、一軍登板もできていない有原航平をノミネート。ファームでの成績も現時点で3点台後半と振るわず、年俸に見合ってません。来日5年目になっても一軍定着すらままならないスチュワートJr.も在籍していますが、彼には実績もないので最多勝経験者の有原を優先しました。

 

埼玉西武

守護神・増田達至をノミネート。ここまで7セーブを挙げていますが防御率は6点台と悪く、何度かセーブ失敗もしています。昨年も後半に調子を落としましたが、今季は頭から調子が悪いので今後の巻き返しに期待がかかるところです。

 

東北楽天

田中将大が今期も苦しんでいます。帰国した21年シーズンは球団がウキウキで凄まじい額の年俸や専用ファンクラブまで作り、YouTubeで様々な発信も行いながら肝心の成績はどん底だった様子はまさしく今年のバウアーの様子に被りますが、今期も状態は上がらないまま、防御率も4点台に突入しました。

 

千葉ロッテ

フレッシュな顔ぶれが揃い首位を走るロッテにあって、石川歩が未だに投げられていません。昨季後半もコンディション不良で勝ち星を伸ばせませんでしたが、今季も苦しいシーズンとなっています。期待と現実の落差が大きいという意味では、昨季に引き続いて開幕コケている美馬学をノミネートしたいところです。チームの優勝のためにも二年連続の後半巻き返しに期待がかかります。

 

北海道日本ハム

開幕から大不振だった伊藤大海や上沢直之は立ち直りつつあるので、昨季ノーヒットノーランを達成しながら今季出遅れているコディ・ポンセをノミネート。ここまでわずか1登板、防御率は13.50です。4月に足を怪我しており今後の見通しも難しく、なかなか計算しづらい存在になってしまいました。

 

東京ヤクルト

奥川恭伸をノミネート。昨季から戦線を離脱しており、今季もやっと投げられるようになったもののファームではまだまだこれからという仕上がり。今期中の復活が成らなければ実働1年で同期の大卒組と椅子を取り合うことになります。21年シーズンにはスケールの大きさを見せていただけになんとしても復活してもらいたいです。

 

・横浜DeNA

もちろんトレバー・バウアーその人をノミネート。鳴り物入りで入団しましたが成績は初登板初勝利を最後に悪化の一途をたどり、トップメジャーリーガーの栄光も地に落ちました。日本にアジャストすべく奮闘する姿は同情を誘いますが、彼の強みが消えて単なる凡Pと化していくようにも思えます。せめて勝率を4-5割くらいに戻し、チームの足かせとならぬことを願うばかりです。

 

阪神

歴史に名を残す最強チームから、エース青柳晃洋が落ちこぼれてしまいました。昨季までの強さはどこへやら、左バッターに軒並み打たれて成績は崩壊。あっという間に居場所を失いました。今年は無理でも、来年以降復活して今度こそ沢村賞を獲るところを見たいです。

 

・読売

菅野智之をノミネート。今季コンディション不良もありここまで一軍で投げられていません。二軍で何をしているのかも今一つよくわからない始末で、巨人の先発崩壊の一因となっています。後半の巻き返しに期待がかかるところです。

 

広島東洋

栗林良吏をノミネート。7セーブを挙げていますが、防御率5点台に加え4敗と失敗が目立ちます。WBC強化試合での怪我も影響しているのかもしれませんが、チームにとっては苦しい展開となりました。交流戦で立ち直ることができれば、チームも上昇気流に乗れそうです。

 

・中日

怪我でシーズン絶望になった大野雄大も痛いですが、投げているメンバーの中で苦しんでいる涌井秀章をノミネートします。トレードで中日に移籍し、期待がかかる初年度から不運と炎上を重ね、防御率は4点台、すでに6敗(1勝)を喫しました。年齢的にもベテランの域に達した右腕の今後が気になるところです。

 

以上の中から、後半戦も低空飛行で終えた候補者に糞サイヤング賞が授与されます。シーズンが終わったら、受賞者決定記事を書こうと思います。